Wednesday, May 5, 2010, 04:36 PM - 相続税・贈与税
1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)の計算に当たって、被相続人の死亡を保険事故として評価会社が受け取った生命保険金の額を生命保険金請求権として資産に計上する。その保険料(掛金)が資産に計上されているときは、その金額を資産から除外する。
また、その生命保険金を原資として支払った被相続人に係る死亡退職金の額、支払退職金を控除した後の保険差益に対する法人税額等を負債に計上する。
1 被相続人の死亡を保険事故として、評価会社が受け取った生命保険金は、保険事故の発生によりその請求権が具体的に確定するから、生命保険金請求権として資産に計上することになる。
「取引相場のない株式（出資）の評価明細書」の「第5表 1株当たりの純資産価額（相続税評価額）の計算明細書」の記載に当たっては、「相続税評価額」欄及び「帳簿価額」欄のいずれにも記載する。
この場合、その保険料が資産に計上されているときは、その金額を資産から除外する。
また、その生命保険金を原資として被相続人に係る死亡退職金を支払った場合には、その支払退職金の額を負債に計上するとともに、支払退職金を控除した後の保険差益について課されることとなる法人税額等についても負債に計上する。
2 評価会社が仮決算を行っていないため、課税時期の直前期末における資産及び負債を基として1株当たりの純資産価額(相続税評価額によって計算した金額)を計算する場合における保険差益に対応する法人税額等は、この保険差益によって課税所得金額が算出される場合のその課税所得の42%相当額によって差し支えない。
財産評価基本通達185、186、186-2
平成2年12月27日付直評23外「相続税及び贈与税における取引相場のない株式等の評価明細書の様式及び記載方法等について」通達 第5表2(4)
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( 3 / 3623 )Saturday, May 1, 2010, 04:51 PM - 法人税
当社は製造業を営んでいる当社は、製造原価の原材料費に機械の取得価額５８万円が含まれていることが税務調査で指摘され判明した。その機械の減価償却費は、それぞれの事業年度において認容されるか。
法３１条１項（減価償却資産の償却費の計算及びその償却の方法）では、償却費として所得金額の計算上損金の額に算入する金額は、償却費として損金経理をした金額のうち、償却限度額までの金額であると規定している。
「償却費として損金経理をした金額」は、法人税基本通達７−５−１では、法人が償却費の科目をもって経理した金額以外でも、これに含まれるものが例示され、その（６）においては「少額な減価償却資産（おおむね６０万円以下）又は耐用年数が３年以下の減価償却資産の取得価額を消耗品等として損金経理をした場合」が掲げられている。
その機械の取得価額は５８万円なので金額的には認められるが、原材料費という科目で損金経理をしたことが、「消耗品等として損金経理をした場合」に該当するかどうかについては、この処理が一般に公正妥当な会計処理をしたと言えないことから、この取扱いからも、「償却費として損金経理をした金額」には含まれないものと考えられる。（消耗品等は少額な資産を費用として処理する科目であり、ゆえにこの取り扱いが認められているといえる。）
また、減価償却資産の取得価額の全部又は一部を資産に計上しないで損金経理をした場合であっても、その事業年度の確定申告書に添付する「減価償却の計算に関する明細書」に、その金額を記載し、申告調整をしているときは、その記載した金額は、償却費として損金経理をした金額に該当するとして取り扱うこととされているが、この取り扱いによる申告調整をしなかった場合に、税務調査において減価償却資産の取得価額の損金算入を指摘されたというときは、法人税基本通達７−５−１（６）の「償却費として損金経理した金額」に該当しないため、減価償却費として認容されることはない。
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( 3 / 3757 )Saturday, May 1, 2010, 02:56 PM - 法人税
税務調査によって、消耗品費として経理してあったテーブルとチェアーについて、減価償却資産（取得価額の合計額は、５２万円）の計上もれとして、修正申告する場合減価償却費はどう取り扱われるか。
法人税基本通達７−５−１（６）では、「少額な減価償却資産（おおむね６０万円以下）又は耐用年数が３年以下の減価償却資産の取得価額を消耗品等として損金経理した場合の損金経理した金額 」は償却費に含まれるとしている。
５２万円で取得した一揃いのテーブルとチェアーについて、減価償却資産として資産計上しないで消耗品費として損金算入したとしても、償却費として損金経理した金額として取り扱かわれる。
修正申告の際には、これらのテーブルとチェアーの資産計上もれがあったとして、その取得価額の全額を資産計上するのではなく、その事業年度の償却費を控除した後の金額を「減価償却超過額」として加算することとなる。
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( 3 / 3599 )Saturday, May 1, 2010, 02:36 PM - 法人税
２０年９月期において機械を取得（２０年９月）したので、減価償却費を計上した。 ところが、２２年５月の税務調査により、この機械を事業の用に供したのは２０年１０月であることが判明した。２０年９月期に計上した減価償却費は、「償却費として損金経理した金額」とならないか。
１ 資産を取得し、かつ、事業の用に供していることにより減価償却ができる。法人の各事業年度末に有する減価償却資産について償却費として損金の額に算入することのできる金額は、償却費として損金経理をした金額のうち償却限度額に達するまでの金額とされる。（法法31（1））
２０年９月期については、その機械は事業年度終了の時までに事業の用に供されていないとのことから、減価償却は認められない。
２ この２０年９月期において否認された減価償却費が、償却超過額として取り扱われる場合は、その償却超過額は、翌事業年度の２１年９月期に繰り越され、償却費として損金経理した金額に含まれることになるので（法法31（4））、２１年９月期における償却限度額の範囲内で認容される。この場合、償却超過額は、減価償却資産に係る償却費として損金経理した金額のうち、所得金額の計算上損金に算入されなかった金額（法令62）とされている。
しかし、その機械は、２０年９月期において事業の用に供されていないので、減価償却資産の範囲に含まれない（法令13）。 法人が取得した事業年度において事業の用に供していない機械について減価償却費として損金経理を行ったとしても、その機械は減価償却資産に含まれないため、２０年９月期に計上した減価償却費は、償却超過額としては取り扱われず、２１年９月期の償却超過額の認容額として認められないこととなる。
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( 3 / 3334 )Thursday, March 25, 2010, 06:34 PM - 相続税・贈与税
母の死亡後、間もなく父も死亡し、父の死亡時には、母の遺産は未分割であった。父の死亡後に相続人である子供2人が母の遺産について分割協議を行い、父の取得分を零とする遺産の分割を行った。
この場合、相続税の申告はどのようになるのか。
父の死亡に係る相続税の申告期限までに、母の遺産についてまだ分割協議がなされていない場合には、母の遺産のうち、父の法定相続分２分の１は、父の遺産として相続税の課税価格に算入して申告することとなる。しかし父の死亡に係る相続税の申告期限までに、相続人である子供2人により、母の遺産について父の取得分を零とする遺産の分割が行われているときは、子供は父の死亡に係る相続税の申告に際しては、母の遺産について父の取得分を零として父固有の遺産のみが相続税の課税価格に算入される。
（参考）
相続（第1次相続）によつて財産を取得して、相続税の申告書を提出すべき義務のある人が、その相続税の申告書の提出期限前にその申告書を提出しないで死亡した場合には、その死亡した人の相続人は、その相続（第2次相続）の開始があつたことを知つた日の翌日から１０か月以内に、その死亡した人に係る相続税の申告書を、所轄税務署長に提出しなければならない（相法２７条２項）。
父が死亡するまでに、母の遺産について遺産分割が行われて、父が遺産を取得したか、またはその遺産が未分割であつた場合には、父は母の死亡による相続（第1次相続）について相続税の納税義務を負うことになるので、父がその相続税の申告期限までに死亡したときは、その申告・納税義務は、父の死亡による相続（第2次相続）の相続人である子2人に承継される。第1次相続に係る相続税の申告期限は、第2次相続の開始があつたことを知つた日の翌日から１０か月以内ということになつている。
そして、父が母から相続によつて取得した財産は、父の死亡によつて、子2人が再び相続することになるので、子2人は、その相続（第2次相続）についても相続税の申告をする必要がある。
第2次相続に係る相続税の計算については、第1次相続によつて父に課せられた相続税額のうち、一定の金額が、相次相続控除として控除される（相法２０条）。
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